(5) 「形式知」と「暗黙知」について その1

世の中で英語学習に対する最も大きな間違いは、

「形式知」と「暗黙知」をごっちゃにしている

ことです。

知識には、「形式知」と「暗黙知」の2種類があります。

「形式知」は、文章に書いて伝えることができる知識のことで、「暗黙知」とは、人間が暗黙のうちに知識として持っている、言葉にできない、あるいは困難である知識を意味します。

教科書のようなもので、説明ができるものは「形式知」で、説明が困難ものが「暗黙知」であるとご理解いただければいいと思います。

 

自転車や自動車の運転の仕方、泳ぎ方、スノボーの滑り方などスポーツのプレイ方法、料理方法、茶道・華道・絵画等の芸術分野の表現方法、ピアノ・ギター等の楽器の演奏方法・・・。

これらの内、マニュアルとして表現できない領域が「暗黙知」となります。

例えば、料理はレシピとして「形式知」で表現できる部分が以前よりは増えてきましたし、最近ではインターネットサイトから無料でダウンロードすることができます。

しかし、どうでしょう?

レシピさえあれば、プロの料理人やベテラン主婦並みの料理がつくれるでしょうか?

包丁も握ったことのない、切り方・刻み方、捌き方が分からない人が、味わったことのない料理に初めて挑んで、果たして、他の人に提供できるような、まともな料理になるでしょうか?

100種類の料理が作れるようになることが目標だとします。

その場合に、100種類の料理レシピを、先に丸ごと暗記してから料理を始めるでしょうか?

通常、料理は一品ではなく、複数の品を出す必要があります。

同時並行で複数の皿を効率よく調理し、それぞれが一番おいしい温度で、提供する必要があるのです。

切り方一つをとってみても、たくさんあります。

薄切り、輪切り、半月切り、いちょう切り、みじん切り、細切り、せん切り、短冊切り、拍子木切り、乱切り、くし型切り、ザク切り、小口切り、ぶつ切り、ささがき、シャトー切り、白髪切り・・・。

と、まあこんなにもあります。

レシピを見ただけでこれらの切り方がいきなりできるでしょうか?

また、魚の捌き方をマニュアルで読んだとして、すぐに捌けるようになるでしょうか?

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