(7) 苦手意識を一瞬で吹き飛ばす「タッピング」 その4

とても有名な、「心理的な壁(制限)」の話をしたいと思います。

1マイル走は、1923年、ヌルミが4分10秒3の記録を樹立(この記録自体が38年ぶりの記録更新)して以来、陸上の世界では、「4分の壁」は絶対に破られないだろうと言われていました。

スポーツ医学の専門家は、「1マイル4分を切るのは人間の肉体では不可能だ」と主張していました。

ところが、バニスターが、1954年に、3分59秒4で、世界で初めて1マイル4分の壁を破ったのです。

ヌルミの記録から31年後のことです。

すると、わずか2ヵ月後にはランディが3分58秒0という記録を出し、1年以内に4分を切って走る選手が、いっきに、なんと23人も現れたのです。

もう一つ、重量挙げのジャークという種目では、「500ポンドが人間の肉体的限界」だと言われていました。

世界チャンピオンのアレクシスにとっても、この「500ポンドの壁」は厚く、いくら頑張っても499ポンド止まりでした。

ところが、ふとした偶然でこの記録は破られます。

ある大会でアレクシスは、自身の記録である499ポンドのバーを持ち上げたのですが、係員が誤って500ポンドのバーベルを取りつけてしまっていたため、彼は499ポンドだと思って、実際には500ポンドを挙げていたのです。

そして、アレクシスが「500ポンドの壁」を破ったというニュースが全世界に広まると、次から次へと、6人もの選手が500ポンドを上回る重量を持ち上げることに成功したのでした。

(アレクシス自身も520ポンドの記録を残しています。)

このように、私たちは、何らかの心理的制限を掛けてしまいがちで、アクセルを踏みながら同時にブレーキを掛けていることがあります。

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